
Morrow
床下にいて、あなたの名前を覚えたなにか
声のカテゴリー
音声のホラーは音量の話ではありません。少しだけ間違っている声の話です。落ち着きすぎている、近すぎる、人より一拍遅い。CastDubはその声を用意して、間違いを置きたい場所に正確に置くための行ごとの操作を渡します。
映画では、観客が脅威を見ていて、それが何をするかの予感から緊張が生まれます。音声では、聴き手は脅威を見ることがなく、緊張はそれが何なのか分からないことから生まれます。これは声に求められる仕事を変えます。映像の怪物は吠えてもいい。見えているからです。音声の怪物が吠えたら、それは「自分は怪物です」と申告したことになり、シーンの空気が抜けます。
古典的なラジオドラマの手法は、脅威の声を人間の音域に留めたまま、1点だけ間違わせることです。マイクに近すぎる、急いでいなさすぎる、誰も訊いていない質問に答える。ひとつの明確な間違いは、5つの効果に勝ちます。あとは聴き手の想像が引き受けますし、それはあなたより上手です。
経験のある音声ホラーの作り手は、全員同じことを言います。怖がらせているのは空白です。行のあとの3秒の沈黙は、そこに置けるどんな音よりも強く着地します。聴き手が身を乗り出すからで、身を乗り出している状態こそ、あなたが作りたかった状態です。
実務的には、句読点を意図して打ち、レンダラーの推測に頼らず行を割って間を作るということです。CastDubは各行を、あいだに空白を置いた別々の芝居として扱います。改行がタイミングの操作です。使ってください。
確実に効く型があります。ふつうの会話をしている2人から始める。少しだけずれた行を1つ入れる。何もなかったようにふつうの会話を続けさせる。そのずれたものをもう1度繰り返させる。上昇は声ではなく構造で起きています。声はほとんど変わっていないのに、聴き手の受け取り方が変わるのです。
演出としては、ほぼ全部をノーマルに保つということです。12行を「怖い」と印をつけたら、どれも怖くありません。1行だけ印をつければ、周りの11行が連想で怖くなります。
日本語の怖い話には、英語圏のホラーとは違う既存の型があります。怪談の「実話系」の語り、投稿を読み上げる形式、そして意味がわかると怖い話のような、最後の1行で世界が反転する短い形式。どれも音声との相性が非常によく、しかもどれも音量を必要としません。むしろ淡々と読むほうが効きます。
型に合わせると、キャスティングの判断も変わります。実話系の語りなら、語り手は落ち着いた中音域で、演出はほとんど要りません。怖いのは内容であって声ではないという建前が、この形式の土台だからです。逆に、複数人が体験を語り合う形式なら、声の差をはっきりつけてください。聴き手が「誰の体験か」を追えなくなると、怖さの前に混乱が来ます。
ホラーのフィクションは歓迎しています。後味の悪い種類も含めてです。線が引かれているのは強さではなく、実在の人物についてです。実在の人物のクローン音声に脅迫的なことを言わせないこと。特定の個人を怖がらせる目的の音声を作らないこと。誰かの録音をねつ造するために使わないこと。
これはジャンルに対する潔癖ではありません。フィクションと武器の違いであって、このジャンル自体がずっと守ってきた線です。
怒鳴り声を一切入れずに下書きしてください。会話の音量で怖ければ、声を1行上げただけで壊滅的になります。
落ち着きが内容と噛み合わない声を選びます。凄みは不一致から来ます。感じのいい声がひどいことを説明するほうが、うなり声より怖い。
シーン全体をささやかせるのではなく、個々の行に印をつけます(行ごとの感情はPro)。ささやきが親密で脅威に聞こえるのは、普通の話し声に囲まれているときだけです。
間が楽器です。聴き手を待たせたいところに句点を置き、行を割って空白を作ります。沈黙は、どんな音声モデルにも壊せない唯一のホラー効果です。
Proでキャラクター別トラックを書き出して、脅威の声を中央から少しずらしてください。音声ホラーはヘッドホンの形式です。聴き手と同じ聴き方で確かめてください。
変えていない行をもう一度生成しても同じ音声が返ってくるので、定番の二重音は編集ソフトで作ります。行を複製し、コピーをずらすかピッチを変えて、重ねてください。強い歪みを書き出しに焼き込まないのは意図的です。歪みはミックスの判断であって、焼き込むと取り消せなくなるからです。
悲鳴は、危険がどこにあってどれくらいひどいかを聴き手に教えてしまうからです。落ち着いた声は両方を伏せ、聴き手はその空白を、あなたが書けたはずのものより悪いもので埋めます。ラジオドラマでいちばん古い法則で、関わっているどのツールよりも先に存在しています。
書き出しの中ではできません。それはリバーブとフィルターで、書き出したトラックに対して編集ソフトでかけるものです。芝居はクリーンに作って、あとから処理してください。クリーンなテイクは遠くにできますが、処理済みのテイクはクリーンに戻せません。
アクセントです。日本語は高低アクセントの言語なので、同じ表記でもアクセントで意味が変わる語があります。「橋」と「箸」、「神」と「紙」。怖い話は固有名詞と地名を多用するうえ、多言語対応の声はアクセントの扱いがネイティブの声より不安定です。長いものを作る前に、要になる語だけ書き出して確かめてください。
フィクションは問題ありません。暴力的なフィクションも含みます。許されないのは、実在の人物への嫌がらせを目的とした音声、特定できる個人に向けた脅迫、そして誰かが言っていないことを言ったように見せるクローン音声です。これらはアカウント停止の対象です。
有料プランなら使えます。週1回の配信ならBasicが合います。空間に声を置くことがホラーのミックスのほとんどなので、キャラクター別トラックが要るならProです。
台本を貼り付ければ、CastDubが登場人物一人ひとりに声を割り当てます。あとは完成したボイスドラマを書き出すだけです。
無料で作ってみるクレジットカードは不要です。無料枠は一度きりの持ち分です。