ワークフロー

小説を音声にする

自分の文章を声に出して聴くのは、いちばん古い推敲の方法です。ぎこちない一文がたちどころに分かります。それをちゃんとしたナレーターとキャストでやれば、推敲の道具がそのまま発表できる作品になります。

ここでうまくいく理由

いちばん効く推敲になる

同じ語尾の連続、長すぎる一文、誰も口にしないようなセリフ。どれも声になった瞬間に目立ちます。書き手は昔から、まさにこの理由で原稿を音読してきました。新しいのは、自分で読まなくていいことだけです。

登場人物が聴き分けられる

話す人物が4人いる物語をナレーター1人で読むと、誰が話しているかを追う仕事が聴き手に回ります。別々に配役すればその仕事は消えます。素人の音声作品と商業の音声作品を分ける、いちばん大きな差がここです。

書きかけの原稿から使える

完成原稿は要りません。1章貼って聴き、直してまた聴く。この往復は、最後にまとめてやる作業ではなく、書く作業の一部に組み込めるくらい速く回ります。

そのまま公開できる

推敲に使ったプロジェクトが、音声配信や動画に載せるファイルをそのまま出します。制作をもう一度やり直す必要はありません。

この作り方に合う声

Dorian

Dorian

Audiobook baritone for literary fiction and slow reveals

男性大人イギリス英語オーディオブック低音
Wren

Wren

Bedtime-story narrator, slow and warm, never wakes anyone up

女性大人アメリカ英語ナレーション温かい
Hale

Hale

Documentary narrator with a hand on the listener's shoulder

男性大人アメリカ英語ナレーションドキュメンタリー
Sable

Sable

Noir detective narrating her own bad decisions

女性大人アメリカ英語ノワールハスキー
Kestrel

Kestrel

Low, weary swordswoman who has already lost this war once

女性大人アメリカ英語ドラマチックざらつき
Orrin

Orrin

Old man on a porch who remembers the flood

男性年配アメリカ英語年配ナレーション
Hazel

Hazel

Mum voice: patient, then suddenly not

女性大人アメリカ英語温かい家庭的
Solène

Solène

Continental accent, unhurried, very expensive sounding

女性大人イギリス英語上品訛り

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作り方

  1. まず1章から

    作品全体ではなく1章。直しを回せるくらい小さく、ナレーターが合うかどうかが分かるくらい大きい単位です。

  2. いちばん手ごわい段落でナレーターを選ぶ

    冒頭の一文ではなく、読みにくい固有名詞が並んだ密度の高い段落で試し聴きしてください。ナレーターが崩れるのはそこです。

  3. セリフの振り分けは任せる

    かぎ括弧のセリフは、自動でキャラクターに割り当てられます。確認して、違うところを直して、先へ進みます。

  4. 読みを確認する

    人名、地名、造語、難読漢字。音声合成は文脈から読みを推測するので、読みが割れる語は台本の側でかなに開くのが確実です。投稿サイト用のルビ記法が残っていないかも、ここで確かめます。

  5. ふつうの速さで聴く

    飛ばし聴きはしないでください。探しているテンポの悪さ、繰り返し、だれる場面は、実時間でしか現れません。

  6. 書き出して公開する

    配信にはミックスしたMP3、音楽を足すならキャラクター別トラック(Pro)、動画版を作るならSRT(Plusから)を。

推敲の道具としての音読

文章の指南書は、どれも原稿を声に出して読めと勧めます。そして実際にやる人はほとんどいません。5,000字を音読するのは疲れるし、3ページ目には目が先を急ぎ始めるからです。それでも助言は正しい。耳は、目が読み飛ばすように慣らされてしまったものを拾います。同じ語尾が3回続く、「〜が、〜が」とつながる一文、リズムの変わらない段落、誰も口にしないセリフ。紙の上では見えず、音声では耳に刺さります。

読み上げてもらうと、疲れの問題が消えるうえに、もう1つ得るものがあります。聞き慣れない声です。自分の原稿を自分の声で読むと、無意識に意図したとおりに演じてしまいます。他人の声はそうしないので、書いたつもりのものではなく、実際に紙に書いてあるものが聞こえます。

地の文とセリフは別の問題

地の文のナレーションには、何時間も注意を保てる、均一で出しゃばらない声が合います。セリフには、すぐに聴き分けられる個性のある声が合います。この2つの要求はぶつかります。ナレーター1人のオーディオブックが妥協になるのはそのためで、持久力で選ばれた読み手が、選ばれた理由ではないキャラクターの演技まで求められています。

2つを分ければ、両方を最適にできます。ナレーターは聴きやすさと持久力で、キャラクターは個性で選ぶ。聴き手はそれぞれのいちばん良い形を受け取り、長い会話の場面が注意の途切れる場所ではなくなります。

守るべき規則は1つ、分離です。ナレーターは、どのキャラクターにも似ていてはいけません。一人称の小説で語り手と主人公が同じ人物ならなおさらで、地の文とセリフの声を同じ帯域に置くと、聴き手は最後まで、いま聞いているのが描写なのか発話なのか迷い続けます。

短編がちょうどいい大きさ

短編は音声にして15〜60分で、手の届くプランに収まり、一度に通して確認でき、それだけで発表できる完結した単位です。そして商業の音声化がほとんどない形式でもあります。1万字の短編のために朗読者を雇う採算は、これまで一度も合ったことがないからです。

だから短編は、ここでいちばんすぐに役立つ使い道です。朗読を配信する個人は増えていますし、小説投稿サイトで連載しているWeb小説に朗読版を添える書き手も出てきました。発表するすべての短編に聴ける音声版をつけることが、午後ひとつぶんの手間でできるようになっています。

正直に言って、何が得られるか

得られるのは、はっきりしていてテンポがよく、配役のぶれない朗読です。解釈ではありません。優れた朗読者は1ページごとに言外の意味について判断を下していて、聴き手が特定の読み手を作品から作品へと追いかけるのは、その判断のためです。ここにそれをするものはありません。

かわりに得られるのは、いつでも音声版があるということです。書いたどの作品にも、すぐに、プランの範囲内で、数分で直せる音声版をつけられる。多くの書き手にとってこれは十分に見合う取引で、どちらを得てどちらを手放すのかを分かったうえで選ぶ価値があります。

読み上げるのではなく、音声用に整える

原稿と良い音声版のあいだには、多くの人が飛ばす工程があります。音声用の手直しです。目で読むために書かれた文章には、声にすると生き残らないものが含まれています。長い括弧書き、修飾が三重に入れ子になった一文、読者が視線を戻せることを前提にした段落。手直しといっても物語を書き換えるわけではなく、数か所の一文を割り、括弧書きを2つ3つ外し、心の中の独白を地の文としてはっきり言い切る形に変える程度です。1章につき20分ほどで、音声版は「本を読み上げたもの」から「音声の作品」に変わります。

日本語の原稿には、もう1つ表記の問題があります。小説投稿サイト向けに書いた原稿には「|漢字《かんじ》」のようなルビ記法が残っていることが多く、そのまま貼ると読みが二重になったり、記号でつまずいたりします。傍点による強調も、音声では消えてしまいます。音声用の原稿ではルビを外して読みを本文に残し、強調したい語は文の組み立てで立ててください。

逆に、足したほうがいいものが1つあります。話者の手がかりです。小説は会話のリズムができた途端に「と彼女は言った」を省き、読者は難なく追えても、聴き手は4行ほどで見失います。日本語なら語尾と一人称でかなり補えますが、同じ口調の2人が話す場面では、ところどころ話者を書き戻してください。本文はほとんど損なわれず、聴き手の負担は大きく減ります。

短編を音声作品として発表する

発表の方法は、思っているより単純です。短編は15〜60分で、ポッドキャストの1回ぶんです。配信の準備は午後ひとつで済み、自作の短編を並べた番組は、どのプラットフォームにも依存しない自分の持ち物として、とても役に立ちます。

もう1つの方法は、作品がすでに置いてある場所に、本文と並べて音声を置くことです。個人サイト、ニュースレター、投稿サイトの作品ページ、文芸同人誌の告知ページ。音声で楽しみたい読者は使い、ほかの読者は気にしない。置き換えではなく選択肢として、それがちょうどいい結果です。

かかる費用

Free

US$0 / 月

 

お金を払う前に、自分の台本がキャストされた状態を聴いてみてください。

  • 生成と試聴はクレジットを使いません(24時間あたり30行まで)
  • ダウンロード用クレジット4,500(生涯で1回きり、完成音声およそ13分ぶん)
  • 40人のキャラクターボイスすべて。有料の壁はライブラリではありません
  • 1プロジェクトにつきキャスト2人
  • 個人・非商用のみ

Basic

US$5 / 月

 

ボイスライブラリを丸ごと開けて、完成した音源を持ち出しはじめる。

  • 40人のキャラクターボイスすべて
  • 毎月54,000クレジット(およそ160分)
  • 1プロジェクトにつきキャスト5人
  • 商用ライセンス付き

Plus

US$19 / 月

 

間を自分で決める。打ち明け話はゆっくり、口論は前のめりに。

  • 毎月180,000クレジット(およそ540分)
  • 行ごとの話速コントロール
  • 1プロジェクトのキャスト数は無制限
  • SRT字幕の書き出し

プラン比較を見る →

よくあるご質問

人のナレーターの代わりになりますか。

予算のある話題作の長編なら、なりません。優れた朗読者は解釈の仕事をしていて、合成はそれを試みていません。予算のない短編、個人で出す長編、聴いて確かめたい下書きなら、音声版があるかないかの差になります。このツールが役に立つのはそういう場面です。

推敲のためだけに使えますか。

使えますし、そういう使い方をする人は多いです。クレジットが減るのは書き出すときだけで、Studioの中で生成して聴くぶんには消費しません(ただし24時間あたりに生成できる行数には上限があり、Freeは30行です)。Freeのおよそ13分は毎月もらえる枠ではなく一度きりの体験ぶんですが、推敲で聴くだけなら、それを使わずに済むことも多いはずです。音声版を手元に残す習慣になったら、毎月およそ160分のBasicが目安です。

詩や短歌も読めますか。

詩はいちばん難しい題材です。改行、意図した曖昧さ、リズムは読み手の解釈が運ぶもので、合成が音にするのは文字どおりのテキストです。短歌や俳句の音数を耳で確かめる用途には使えますが、詩を演じることはしません。

名前の読みを間違えないようにするには。

合成エンジンは漢字の読みを文脈から推測するので、「日向」「一」「上総」のように読みが複数ある名前は外れることがあります。いちばん確実なのは、台本の側でその語をひらがなやカタカナに開くことです。ルビで読みを示している原稿は、音声用の原稿ではルビを外し、読みのほうを本文に残してください。

自分で録ったナレーションと生成したキャラクターの声を混ぜられますか。

混ぜられます。ただし混ぜるのは音声編集ソフトの上で、録音をCastDubのプロジェクトに入れることはできません。キャラクターを生成して書き出し、そのまわりの地の文を自分で読む、というよく効く組み合わせです。反響の少ない部屋で、同じくらいの音量で録れば、2つは違和感なくなじみます。キャラクター別トラック(Pro)を書き出すと、編集ソフト上で並べる作業が楽になります。

長編は音声で何時間になりますか。

このツールの日本語の音声はおおよそ1分330字前後なので、10万字の長編で5時間ほどです。クレジットは書き出す文字数で数えるので、10万字なら10万クレジットです。Freeの一度きりの4,500文字では足りず、Basicの毎月54,000文字なら2か月ほど、Plusの毎月180,000文字なら1か月に収まります。改稿して書き出し直すぶんは別に見込んでください。

今夜、最初の1シーンをキャスティング

台本を貼り付ければ、CastDubが登場人物一人ひとりに声を割り当てます。あとは完成したボイスドラマを書き出すだけです。

無料で作ってみる

クレジットカードは不要です。無料枠は一度きりの持ち分です。