
Bellhop
同じことを言い直す。そこが笑いどころ
声のカテゴリー
面白い声が1つあるだけでは、ただの飛び道具です。面白い声がまっすぐな声に反応して初めて、笑いになります。CastDubは掛け合いの両側を1つのプロジェクトでキャスティングするので、素材を集めて祈るのではなく、その場で間を聴けます。
現役のコメディの書き手は、そろって同じ地味なことを言います。ネタは書かれるのではなく、書き直されるのだと。最初の版が当たることはほとんどなく、当たる版を見つける方法は、声に出して何度も聴くことだけです。歴史的にそれには人が同じ部屋にいる必要があって、だからコメディの執筆はずっと遅く、社交的な作業でした。
読みを生成すると、その往復から日程調整が消えます。以前なら1回の読み合わせを組むのにかかった時間で、オチを4通り聴けます。しかも自分の声ではなく、意図した声で聴けます。これであなたが面白くなるわけではありません。何が面白いのかを見つけられるくらいには、反応が速くなるというだけです。
長く残っているコメディの声の仕事は、たいてい音域の不一致で動いています。映画予告のために作られた声がサンドイッチを説明する。やさしい児童向けのナレーターが脅し文句を読む。激怒しているキャラクターが図書館の音量で話す。笑いは、言い方と言っている内容のあいだの隙間にあって、その隙間は30秒で決められるキャスティングの判断です。
裏返すと、それ自体がふざけている声はたいてい弱い選択です。甲高い声がふざけたことを言うのは、ネタの上にネタを積んでいて、互いに打ち消し合います。ふざけた内容を、まじめな声に渡してみてください。
日本語には、この噛み合わなさをそのまま形式にしたものがあります。漫才の役割分担です。ボケとツッコミは性格ではなく機能で、だからこそキャスティングに落とせます。ボケ側は速く語尾を軽く、ツッコミ側は落ち着いて言い切る。PlusとProなら行ごとの話速で、ほかのプランなら行の長さと語尾で作れます。それだけで、書いたものが同じでも掛け合いとして立ちます。逆にいちばん効かないのは、2人とも同じテンションで同じ速さのときです。紙の上では笑えても、音にした瞬間にどちらがどちらか分からなくなります。
CastDubは行ごとに、あいだに空白を置いて書き出します。つまり台本のレイアウトがそのままタイミングです。聴き手に座っていてほしい間は、空の一拍になります。速い掛け合いは、決まった短い間だけを挟んだ短い行になります。誰かが遮るところがネタなら、遮る側の行を文の途中から始めてください。音が重なっていなくても、聴き手には切られたのが分かります。
本当に重ねたいなら、Proでキャラクター別トラックを書き出して編集ソフトでずらします。コメディが本気でマルチトラックを必要とする唯一の場所がここです。人の話に被せるのは笑いの手法で、順番に並べては作れません。
笑い声そのものが、いまも難しいところです。生成された笑い声は、この道具立ての中でいちばん「合成だ」と分かる音です。笑うことが、言葉の出来事ではなく呼吸の出来事だからです。ネタに笑い声が要るなら自分で録って差し込んでください。誰も気づきませんし、10秒で済みます。
もうひとつの限界は、レンダラーが成立していないネタを救わないことです。批判に聞こえますが、実際にはこの道具のいちばん有用な性質です。自分の書いたものが平坦に演じられるのを聴くと、頭の中で鳴っていた版が剥がれます。頭の中の版は、ほぼ必ず紙の上のものより面白いのです。
笑いは振りと受けです。どちらが錨かを決めて、その声はできるだけ退屈にキャスティングしてください。面白い声には、跳ね返る平らな面が必要です。
確実な笑いは、内容に合っていない声です。予告編のバリトンが朝食を告知する、明るい声が悪い知らせを運ぶ。単体でいちばん面白い声ではなく、噛み合わなさで試し聴きしてください。
タイミングは改行です。オチの前の一拍を別の行に切り出せば、聴き手が期待している場所に本当の空白ができます。
同じオチをノーマル、興奮、真顔の3つで出してください(行ごとの感情はPro、ほかのプランならキャラクターの既定の感情を替えて)。真顔が勝つ頻度は、みんなが思っているより高い。設定より試し聴きのほうが大事な理由がこれです。
自分の間を自分で判定できない唯一のジャンルです。MP3を書き出して1人に送り、その人がどこで聴くのをやめるかを見てください。
面白いのは声ではなく、書いたものと間です。この種のツールが渡すのは、2人を押さえるのではなく数分で間を試せる状態です。それは笑いを書く作業を反復可能にするということで、笑いが良くなる道はそれしかありません。
面白い声どうしをぶつけることです。ツッコミ役がいないと、聴き手は馬鹿馬鹿しさを測る基準を持てず、全部が均された音になります。1シーンに最低1つ、錨になる声を置いてください。
英語圏のコメディより、行の割り方が効きます。ツッコミは短く、遅れずに、単独行で。「なんでやねん」を独立した行にすると1回の芝居になりますが、前の行の末尾にくっつけると間が消えます。それと、PlusかProなら、ツッコミ側の話速を少しだけ上げてください。被せているように聞こえます。
感情をノーマルに置いたまま、PlusかProなら話速をわずかに下げてください。ほとんどの人は笑いを演出しすぎます。何も変わったことは起きていないかのように読まれたほうが面白い行に、興奮を足してしまうのです。
できません。特定できる人物の声のクローンやものまねは、パロディであっても規約違反です。音声はプロジェクトを離れた時点で本物の録音と区別がつかないからです。代わりにオリジナルのキャラクターを書いてください。たいていネタのほうは生き残ります。
テキストだけからは伝わりません。その行の感情を明示するか(行ごとの感情はPro)、皮肉が構造として立つように書いてください。平坦な読みと突飛な内容の落差は、声の演技が一切なくても皮肉として読まれます。
台本を貼り付ければ、CastDubが登場人物一人ひとりに声を割り当てます。あとは完成したボイスドラマを書き出すだけです。
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